雨と霧の景色
雨の日のワインディングロード沿い、次々と流れてゆくガードレールの光を眺めながら走った時のことを今でも鮮明に覚えている。
晴れていればとてもいい眺めの場所であろうが、霧が立ち込めて周囲の景色は全く見えない。絶え間ない雨と、どんよりと薄暗い景色の中でただヘッドライトに照らされたポールの上の反射器材だけが明るく輝いていたのである。
そんな心細い状況の中で、それでも愛機のエンジン音は軽やかに心地よく響いている。
これほど心強い事があろうか。
打ち付ける雨にも辛抱してただアクセルを保っていれば、やがて目的地に着く。
そんな信頼感はそのとき何ものにも替え難い。
そう。一旦旅を始めたら、出発前の確実なメンテナンスの重要性をいつも思い知らされるのである。