ヘッドライトはLEDで!

カテゴリ: V100ハンドルまわり — 2013/02/04

V100に最適なヘッドライトはLED

ヘッドライトを明るくするためにHIDを組み込むのも一般的になってきたようですが、V100の場合、HIDをバッテリーに直に接続すると、ゼネレーターの発電量が追いつかずバッテリー上がりを引き起こす可能性があります。
もしもHIDを搭載するならば、電源はヘッドライトに来ている交流を整流して取り出すのが最善と思われますが、そうするとアイドリング時の電圧低下によって、消灯したり点滅状態になるなど安定した動作ができない、という問題も出てくるようです。
この問題点も電気に詳しい方で、アイドリング用と走行時用とで消費電力の違うバラストを自動で切り替える回路を組んで克服している例もあるようですが、満足の行くHIDのシステムを組むのは、かなりハードルが高いかと思います。
たとえHID化できたとしても発熱の問題もあります。コンパクトなV100のヘッドライトユニットはプラスチック製であり、ノーマルのハロゲン球であっても、長期使用により電球の上下部分が焼けて、メッキは剥がれ、ひび割れてきたりすることがあります。HIDの熱に耐えられるのでしょうか。

こうしたV100特有の問題があるのですが、パワーLEDを採用することによって、これらすべてをスマートに解決することができるのです。

ヘッドライトに来ている交流を整流して電流制限し、パワーLEDを30Wほどで駆動すれば、ダイナモも定格どおりでありV100に優しい設計となります。
アイドリング時の電圧低下も輝度が少し下がるだけであり、その分発熱量も下がるので、LEDを休ませるためには、かえって好都合となります。
発熱量も少ないので、ヘッドライトユニットのプラスチックにも優しいです。
こうした構想、仕様を実現するため、高価なハイパワーLEDを2個投入して実験することにしました。


20W型!PowerLED
EDISON EdiPower 20Wstar 白色
型番:EPBW-4S02-B2
Vf:12-15.6V
If:1.4A

この製品は、初期のロットよりもVfが下がって、12V~なので、ヘッドライト用の交流電源を整流して使うにはちょうど良いです。
定格フルに駆動せず、2個合計で30Wほどの電流が流れるように電流制限回路を組みます。

ストロボ用のトランジスタ、2SC4685を使ったシンプルな電流制限回路を組みました。
これをそれぞれに1個づつ設けて、フェールセーフにも気を遣います。

試作段階なので、固定方法などは甘いのですが、ヒートシンクは秋月の100円のヒートシンクを4つつなぎ合せて使用しています。
固定と放熱を助けるためにアルミ版を背後に入れてあります。

折角の20WLEDなのですが、このままでは光が散ってしまって、思い描いていたような輝度は得られません。
集光するために、手持ちの懐中電灯のリフレクタを加工して使います。
熱的には弱い素材でしたが、試作品なのでその辺りはこだわらないで進めます。
レンズは、プラスチックレンズを幾つも注文して試して見ましたが、どれもサイズが合わず効果が得られませんでした。

結局、プロジェクタフォグランプを分解して、レンズを取り出して使うことにしました。
ここまで分解して、レンズの周囲のシリコンゴムにクラフトカッターで切れ込みを入れてから、ハンマーの木の柄で、裏からググっと押してやると、意外と簡単にレンズは外れてくれます。

組み立てると、このようになりました。さすがに明るさは実用レベルです。
光束は中央に集中し過ぎているように思いますので今後の調整が必要です。
また発熱の具合などを見ながら走行テストも行ないたいところですが、Hi,Lowの切替など、他の課題も山積しているので、ここまで作り込んだものの、開発は頓挫してしまっています。
エコブームに押されて、そのうち再開するかもしれません。

下:14.4Vを加えたところ。爆光です。

というのも、ノーマルのヘッドランプAssyをまるごと交換すると、かなりの輝度が得られる事に気付いたからです。
メッキの経年劣化やソケット部の酸化が影響しているのかもしれません。とにかくヘッドランプAssyが安いのでコストパフォーマンスの点で強力過ぎる。
遠回りに色々テストしてきましたが、結局は純正品のヘッドランプAssyを定期交換する事が一番安くて手間のかからない近道である、というのはまったく皮肉なものです。

今後、もしこのLEDシステムを採用するとしたら、Hi、Loの切替方法も合わせて考えなければなりません。
下側を留めている光軸調整用ビスを撤去して、ラジコン用サーボモーターのアームを取り付けてヘッドランプAssy全体を動かすようにすれば、光軸を電気的に半固定抵抗で調節できるというメリットも生まれます。それをもっと簡単にアクチュエーターを使って動かす方法とか、Hiビームだけ別のランプを増設するとか、元々プロジェクタランプに入っていたような仕切り版をレンズの後ろで上下させる方法とか、アイディアは色々あるのですが。

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