点火系の研究

カテゴリ: V100エンジン — 2013/01/25

CE11AのV100はとにかくCDIがウィークポイント

走行中に突然エンジンが停止!焼き付きでもガス欠でもない。以前に燃料タンクのベントホースが水没して燃料が下りてこなくなったことはあったが、これは対策済み。(ベントホース先端がシート下のフレームパイプの中ですが、そこに雨水が溜まっていた)
近所だったので押して帰って来てあちこち調べてみたが、これといった不具合はなく、苦戦しているうちにスタンドを掛けた状態では問題なくプラグに火が飛んでいるのを確認できて、あっけなくエンジンはかかるようになりました。
それでも、いざ走ろうとして乗車するとまた止まってしまうような状態。しばらく悩んでしまいましたが、原因はというと。。
結局CDIユニットへ繋がっている黒/赤 線がコネクタの根元でちぎれていたことが判明。長年の振動で破断したのでしょう。
それでもわずかに触れて(導通して)いたのでとりあえずエンジンはかかり、それが乗車時のちょっとした姿勢変化で、接触がなくなりエンジン停止ということになったわけです。配線を端子にハンダ付けして解決となりました。

配線CE11Aの点火系は盗難対策なのでしょうか?2つの接点を使ってON-OFFをしています。
まず点火コイルから出ている黒赤線がCDIユニットの奥側にある端子につながり、CDIのもう一方の線(黒/白)がアースに落ちていれば火は飛ぶという仕組みです。(CE11A-500001以降は別物です)
メインキーONのときは、黒赤線のアースへの接続をカットすると共に、黒白線をメインキーの接点を通してアースに落とすことでこの回路を動作させています。

メインキーをオフにしたときには、アース側がオープンとなり、同時に点火パルスの通っている赤黒線がアースに接続されることでCDIユニットへの電圧がかからなくなるようにしているのです。

マグネットこれを理解していれば、外したエンジンユニット単体で始動させたり、メインキーを紛失してしまってもエンジンをかけることができます。
また、CE11A型はクランクシャフトが一回転する間に、上死点前と下死点前の2回火花が飛んでいることも押さえておきましょう。
カシメや接点を多用する配線は経年変化で電気抵抗(接触抵抗)が増えてきます。そうなると効率が落ちて設計どうりの性能を発揮できなくなります。
どことなく調子が悪い、というV100はCDIユニット上の、二つの端子を磨いて接触抵抗を下げてあげるだけで元気になることがあります。アース側は
メインキー接点の接触抵抗も関係しているので、これもマイナス要因となります。 何しろ走行時の雨水や埃の影響をじかに受ける場所にCDIのコネクタがあるので、その対策も含めて、より長期間安定運用ができるCDIを作るべく、大改修することにしました。

左図のように、端子部分は配線をハンダ付けして直出しとして、シリコンで固めておきます。ここには強烈な振動が掛かるようなので、念入りに。
アース側はクランクケースのアースポイントに直接接続します。
一次側は、クランク右側ステーターコイルから来ている赤黒線に直接ギポシコネクタを分岐する形で増設し、CDIにハンダ付けした赤の配線とギポシで接続するようにします

そして二次側は、NGKのパワーケーブル汎用L型(L2K)を使って効率アップを図りました。
V100はケーブル長が大変短いので、少しもったいない気もしたのですが、ザックリ短く切ってしまいます。
パワーケーブルはだいぶ太いのでそのままではCDI側にねじ込めません。プラスチックのガイド部分を全て削り取って、ケーブルを差込みシリコンで固め、さらにゴムのキャップを戻しておきます。これで雨の日もリークはありません。
プラグは端子カバーが必要な仕様となってしまいますが。

ここまでやれば始動性の向上と、低回転域の安定性など効果をすぐに確認することができます。何よりも出先でトラブらない信頼性の向上に貢献します。
CE11A-500001以降からCE13A型の場合は、もっと進んだDC点火方式を採用しています。エンジン右側のマグネトー外周部に、パルサコイルを増設し、一回転に一回の点火として、CDIユニットをまるっきり別物に置き換えており、電気進角もするようです。これにより、コンデンサの充電時間も稼げたり、低回転時でも強い火花を維持できるように思えます。またCE11Aよりもゼネレーターの発電量も稼げているようです。この部分を丸ごと置き換えてしまえば、CE11Aの点火系を強化できるのですが。。。

■これからの研究
上下2回点火の為、プラグ寿命も短くなり、高回転時にはコンデンサの充電時間が短くなります。
点火のタイミングは交流信号の極性が変わるタイミングで行なっているようです。
そこでトライアックとフォトインタラプタを使って、
無駄な下死点前の点火をカットしてみれば、高回転時の短時間の充電であっても、充電が2回行なわれるので高回転時の強力な火花とプラグ寿命の延長という効果が期待できるのではないかと思われます。

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