カテゴリー  V100ハンドルまわり

カテゴリ: V100ハンドルまわり — 2013/02/04
ヘッドライト断線警告灯

怖い思いをしたもので

ある時、雨の都内を走っていて、やたらと周りの車が不用意な動きをして危ないなぁと思っていたら、後で分かったのですが、自分のヘッドライトが切れていたのでした。これでは他車から視認しづらかったと思います。雨で夕暮れ時の都内はそこいらじゅうで車や店舗からの光が乱反射して、自分のヘッドライトの断線すら気が付かなかったのです。
原因は雨が浸入してバルブにかかったのか、その温度差でしょうかバルブが破裂していたのでLo、Hi共に使えない状態になっていました。

そんな怖い思いをした経験から、ヘッドライトが切れた時のインジケーターの必要性を感じたのです。
幾つかの回路を試してきましたが、電圧検出用の抵抗をライトの電源ラインに入れるのは、ヘッドライトの光度を低下させるので良くありません。ただでさえ暗いヘッドライトですから。とにかく手っ取り早く実装して運用することが先決だったため、安易な方法としてcdsセルで検出することにしました。

増幅して表示させる回路はメーター統合ユニットとして組みましたので、そちらで詳細を紹介しています。
この方法だと当然ながら、エンジン切っていても昼間、太陽光が差し込めば光を検出し、騙されて「ライトは点いてます」ということに。

それでも何年もの間、その使命を十分に果たしてくれたのです。
近年、もっと良い方法を見つけたのでcdsセルは引退となりました。

その、もっと良い方法というのは、交流電流センサを使ったものです。
URDのCTL-6-P-Hという小型交流電流センサを使って、ヘッドライト点灯用の交流が流れていることを検出します。
その先の信号増幅と表示部は、従来の回路を作り直さずに済むように、センサの出力を調整しています。

黒いデバイスが交流電流センサです。
このデバイス中心の穴に交流信号が通過すると微弱電流が生じます。それを検出、増幅して信号が出ていなければ断線を警告するという仕組みです。

Hi,Loどちらでも反応するように、アースラインを監視するように組みました。
平滑用コンデンサの容量が大きいのか、試験的に断線を再現してから警告までの反応時間がやや長く感じられ、今後調整を要しますが、一応は期待どうりの動作をしてくれています。

いろんな装備品が増えてきて、ハンドルカバー内がごちゃごちゃして、かなり手狭になってきました。

カテゴリ: V100ハンドルまわり — 2013/02/04
ウィンカーリレーをIC化

どうしてウィンカーリレーをIC化するのか

それはウィンカー動作音の「ポッコン、ポッコン」という音が、どうもいただけないからです。
また将来ウィンカーバルブをLED化するときにもスムーズに移行できます。
最初はとにかく音消しに取り組んで、安く出回っている熱線式リレーなども試しましたが、動作が安定しなかったため、ノーマルリレーの頭頂部(ここを内部から叩いて音を出している)に詰め物をしたりなど、防音加工に苦戦しましたが十分な結果が得られず、結局ICリレーを組むことにしました。


ネット上ではたくさんの製作例が載せられていますが、ポピュラーな、タイマーIC、555を使った回路を採用しました。

ノーマルリレーはこんな感じです。

分解するには、ケースの底辺がねじ込み式になっているので、大き目のプライヤーでその辺りをミシッ!と強く握っておきますと、ボンドが剥がれます。
あとはコネクタ部分を反時計回しに緩めるだけです。

もったいないですが、中の構造物は、平べったい板以外はみな撤去します。
コイルの芯になっている鉄芯も頑張って切断します。

イキナリ完成写真ですが、オン時間とオフ時間別個に調整ができるようにボリュームを二つ取り付けました。
元のケースに収めて

パイロットランプの緑LEDを下向きに取り付けてあります。

うちのV100の装備品の中でも一番古いデバイスですし、製作技術の面でもレベルが低かった頃の作品ですが、これで7年間問題なく動き続けてくれました。

ただし、作って間もなくの頃、ICが破裂してメインヒューズが飛ぶという事件がありました。

その時は、LMC555というCMOSタイプの低消費電流版を使っていたので、これが静電破壊に対してはデリケートだから良くなかったのか何ともいえません。V100の電源はきれいではないのかもしれませんが、はっきりした原因は分からないままでした。

ともかく通常版のNE555に差し替えたところ、それ以来全く問題なく動作してくれました。消費電力云々よりもタフな方が良いです。

555を使ったこの回路は常に点滅していてターンシグナル(ウィンカー)スイッチを入れた時点では消灯から始まる事もあり、点灯から点滅が始まる事もあるわけですが、実用上まったく問題ないと思っています。それでも今後は、TC4584というICを使った、スイッチオンのタイミングで点滅をスタートさせる回路に、移行しようと考えています。

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ヘッドライトはLEDで!

V100に最適なヘッドライトはLED

ヘッドライトを明るくするためにHIDを組み込むのも一般的になってきたようですが、V100の場合、HIDをバッテリーに直に接続すると、ゼネレーターの発電量が追いつかずバッテリー上がりを引き起こす可能性があります。
もしもHIDを搭載するならば、電源はヘッドライトに来ている交流を整流して取り出すのが最善と思われますが、そうするとアイドリング時の電圧低下によって、消灯したり点滅状態になるなど安定した動作ができない、という問題も出てくるようです。
この問題点も電気に詳しい方で、アイドリング用と走行時用とで消費電力の違うバラストを自動で切り替える回路を組んで克服している例もあるようですが、満足の行くHIDのシステムを組むのは、かなりハードルが高いかと思います。
たとえHID化できたとしても発熱の問題もあります。コンパクトなV100のヘッドライトユニットはプラスチック製であり、ノーマルのハロゲン球であっても、長期使用により電球の上下部分が焼けて、メッキは剥がれ、ひび割れてきたりすることがあります。HIDの熱に耐えられるのでしょうか。

こうしたV100特有の問題があるのですが、パワーLEDを採用することによって、これらすべてをスマートに解決することができるのです。

ヘッドライトに来ている交流を整流して電流制限し、パワーLEDを30Wほどで駆動すれば、ダイナモも定格どおりでありV100に優しい設計となります。
アイドリング時の電圧低下も輝度が少し下がるだけであり、その分発熱量も下がるので、LEDを休ませるためには、かえって好都合となります。
発熱量も少ないので、ヘッドライトユニットのプラスチックにも優しいです。
こうした構想、仕様を実現するため、高価なハイパワーLEDを2個投入して実験することにしました。


20W型!PowerLED
EDISON EdiPower 20Wstar 白色
型番:EPBW-4S02-B2
Vf:12-15.6V
If:1.4A

この製品は、初期のロットよりもVfが下がって、12V~なので、ヘッドライト用の交流電源を整流して使うにはちょうど良いです。
定格フルに駆動せず、2個合計で30Wほどの電流が流れるように電流制限回路を組みます。

ストロボ用のトランジスタ、2SC4685を使ったシンプルな電流制限回路を組みました。
これをそれぞれに1個づつ設けて、フェールセーフにも気を遣います。

試作段階なので、固定方法などは甘いのですが、ヒートシンクは秋月の100円のヒートシンクを4つつなぎ合せて使用しています。
固定と放熱を助けるためにアルミ版を背後に入れてあります。

折角の20WLEDなのですが、このままでは光が散ってしまって、思い描いていたような輝度は得られません。
集光するために、手持ちの懐中電灯のリフレクタを加工して使います。
熱的には弱い素材でしたが、試作品なのでその辺りはこだわらないで進めます。
レンズは、プラスチックレンズを幾つも注文して試して見ましたが、どれもサイズが合わず効果が得られませんでした。

結局、プロジェクタフォグランプを分解して、レンズを取り出して使うことにしました。
ここまで分解して、レンズの周囲のシリコンゴムにクラフトカッターで切れ込みを入れてから、ハンマーの木の柄で、裏からググっと押してやると、意外と簡単にレンズは外れてくれます。

組み立てると、このようになりました。さすがに明るさは実用レベルです。
光束は中央に集中し過ぎているように思いますので今後の調整が必要です。
また発熱の具合などを見ながら走行テストも行ないたいところですが、Hi,Lowの切替など、他の課題も山積しているので、ここまで作り込んだものの、開発は頓挫してしまっています。
エコブームに押されて、そのうち再開するかもしれません。

下:14.4Vを加えたところ。爆光です。

というのも、ノーマルのヘッドランプAssyをまるごと交換すると、かなりの輝度が得られる事に気付いたからです。
メッキの経年劣化やソケット部の酸化が影響しているのかもしれません。とにかくヘッドランプAssyが安いのでコストパフォーマンスの点で強力過ぎる。
遠回りに色々テストしてきましたが、結局は純正品のヘッドランプAssyを定期交換する事が一番安くて手間のかからない近道である、というのはまったく皮肉なものです。

今後、もしこのLEDシステムを採用するとしたら、Hi、Loの切替方法も合わせて考えなければなりません。
下側を留めている光軸調整用ビスを撤去して、ラジコン用サーボモーターのアームを取り付けてヘッドランプAssy全体を動かすようにすれば、光軸を電気的に半固定抵抗で調節できるというメリットも生まれます。それをもっと簡単にアクチュエーターを使って動かす方法とか、Hiビームだけ別のランプを増設するとか、元々プロジェクタランプに入っていたような仕切り版をレンズの後ろで上下させる方法とか、アイディアは色々あるのですが。

カテゴリ: V100ハンドルまわり — 2013/02/04
旅ログに、GPSロガーが大活躍

Wintec社のWSG-1000というGPSロガーは、ちょっとしたポータブルナビと同じ位の値段なのですが、これが使えるのです!

フェリーに乗れば、船の航跡をたどれますし航行速度も分かります。
飛行機に乗れば、時速800Km位で飛んでいることや、登録した地点から推察して、どの辺りを飛行しているか等も把握できます。(但しB737以外はガラスにコーティングがなされているためか、感度が悪く測位出来ませんでした)


WSG-1000は、気圧センサによる高度計を内蔵しているので、高度を把握し、それをグラフで表示させることもできます。これはナビにもT/Mにも出せない画面なので、峠を走るときは楽しいです。
左は阿蘇の外輪山、高森峠を経て阿蘇山頂付近まで登ったときのグラフです。外輪山の断面図のようなものが描かれているのが分かります。
写真はツーリングカメラと同時使用するときのケースにマウントして使っています。

GPSのマウント
このGPSは、より使用頻度が高いので、カメラ無しに単体で運用できるようなマウントも造りました。これは付属のハンドリスト型マウントを改造して自転車用ライトのマウントと組み合わせたものです。


電源はハンドルUSB電源から供給できます。
しかしWSG-1000はバッテリーの持ちが良く、18時間以上も連続稼動できる仕様となっているのでツーリング中は、これを宿で毎晩フル充電しておいて、走行中の電源はもっぱらガーミンに回すようにしています。

TimeMachineログ画面
付属のソフトTime Machine Xを使ってWSG-1000のデータをPCに取り込んでログを解析できます。
Googlemapと連動している地図の中で軌跡を描いたり、記録ポイントごとの時間、高度、スピードなどをグラフで表示させたりすることができます。
写真上は、地図上に軌跡を描くTrackMap表示。
寄り道やミスコースも後から手に取るように分かります。
下は、速度・高度・時間のグラフになります。
赤が速度
緑が高度
横軸が時間という具合です。

※TimeMachineXのGoogleMapが表示されない件の対応

ごく稀に、トンネルの直後など測位に失敗して異常データとなることもありまして、一箇所赤いラインが130Km/h以上になっていますが、そんなに飛ばしたわけではありません。
高度計グラフを見ると、高度が徐々に上がり、高森峠を経て、阿蘇山を登って降りて、再び外輪山を登り、大観望のピークを通過し、さらに牧の戸峠で最大高度に達している様子が見事に表わされています。
酒の肴になる、完璧な旅ログが採れます。

簡易ナビでHOTELが見えてきた画面

宿泊場所やターニングポイントなど、地点を登録しておけば、簡易ナビモードにて、どの程度近づいてきたか分かります。おおよその距離も知ることができます。 例えば、たっぷり走った一日の夕暮れ時に、10Kmレンジ(表示範囲)にて進行方向に宿泊地のマークが見えてきます。何かホッとする瞬間ですが、更に前進して行くにつれてレンジを拡大していけば、より高精度に位置を把握できますので、始めての土地でも容易に宿にたどり着くことができました。
これを使いこなせばナビは要らないと思えるほど、役に立ちます。

新幹線で

さらに、拡張的な使い道として、Bluetooth機能をオンにして、スマートフォンにインストールしたPocketMappleのGPS機能とリンクさせることができます。
PocketMapple上にて移動する自車位置や速度、進行方向を知ることができ、表示だけは、ちょっとしたナビみたいに使えます。
写真は新幹線でテストしているところ
ただし、本機のBluetooth機能は国内電波法に抵触するらしいので、実験程度にとどめておきます。

GPSの傷

取説には、防水、耐衝撃と書かれている通り、このGPSロガーはタフです!
雨が降り出すと、防水策を考えていないツーリングカメラナビは外さなければなりませんが、このGPSロガーだけは悪天候下でも動いてくれる、頼もしい装備です。
耐衝撃性能ですが、別のバイクに未完成のマウントで仮付けして走行し、路面からのショックで脱落させてしまったことがあります。
高価なデバイスのため大変ショックでしたが、道を引き返して回収してみると外装の傷だけで済んでおり、液晶の破損もありませんでした。
その後は、何とそのまま通常どうりに運用することができました。

金額なりの働きは十分してくれます。また、かさばって電力も喰うナビよりも、Bikeには適しているようにさえ感じます。

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