カテゴリー  V100ハンドルまわり

カテゴリ: V100ハンドルまわり — 2013/02/04
ツーリングモニタ搭載

ツーリングモニタは、ワンチップマイコンを使用したマルチメーター

これまでにメーターユニットは改修を行ない、とりあえずは満足のゆくものとなっていたのですが、更なる機能として、タコメーター、気温計、トリップメーターがあれば、と思っていたところ、これらの機能を満たしてくれる「ツーリングモニタ」というマルチメーターを作って販売している方のサイトに出会いましたので、早速これをV100用に流用できないか検討してみました。
ツーリングモニタを販売している、“あおでん”さんのページ
ただし対象がマジェ250など、デジタルメーターの機種向けのものなので、V100でスピードパルスの信号をどうしたら得られるか、が実装に向けての大きな壁となっていました。秋月で扱っているOH182/Eという非接触回転速度センサがありまして、これを基に車速パルサを製作することにしました。

センサの設置場所は、メーターギアにしました。万が一メーターケーブルが切断したとしても、ツーリングモニタの方では車速を確認できる、というフェールセーフの設計思想でもあります。
ホイールから回転を受けて駆動されるプラスチックのピニオンギアは、更にウォームギアを回転させ、こちらは金属製なので前述のデバイスにてピックアップするのには最適です。
メーターギアのケースは、一見すると金属製のようにも見えますが、実はプラスチック製です。ウォームギア周辺のの肉厚は4.5mmもあります。
ウォームギアの歯数は9枚
タイヤ1週で17パルス検出という仕様になります。
ちなみにメーターギアのオイルシールは単体では部品が供給されていませんが、34-48-5 というサイズなので、同じものを他社のばら売りしているメーターギアのパーツから見つけられるかもしれません。

ウォームギアの埋まっている場所をを目指して、カッターで削ってゆき、ついには小穴が開いてウォームギアが見えるようになるまで削ります。ギアとの距離が最短になるように、また実際にLEDを点滅させる実験回路を繋いで、検出具合を確認しながら、ちょうど良い位置にセンサを設置しました。
OH182/Eはデバイスの横方向に通過する金属ギアの山を検出します。ウォームギアの山に対して直角になるような位置に設置すると、このように斜めになります。
エポキシボンドで固定し、配線をハンダ付けした後には、RTVゴムで固めました。

ところで、OH182/EのHiの出力は1.6Vなのです。これではツーリングモニタの入力には低すぎるのでオペアンプLM358Nを使用してスピードパルスを増幅しています。そのための追加の回路も設置して、これで十分に動作することを確認しました。
左上のガラエポ基板の部分が追加した増幅回路です。

表示部の実装はとりわけ苦労したところです。
あおでんさんから供給していただいた防水のディスプレー部分は、V100のハンドルカバー上に設置するには大きすぎましたので、超小型LCDキャラクタディスプレイモジュールを購入して、スマートにマウントする方法を模索しました。
こんな感じで、右側にマウントを試みます。仕様が固まれば、ザックリ切込みを入れて。


タカチプラケースを加工して液晶のケースを作って。レンズは対候性に優れたアクリル版です。
右がマウント途中のところ。ケースやレンズはエポキシボンドで固定してしまうので、メンテナンスのことは考えていない造りとなっていますが。

こんな感じで。ビルドインすることができました。ちなみに、左側のスモークのレンズ部分は、レーダー探知機の窓です。
本体ユニットは、フロントカウルのステー上部に取り付けました。ここも風雨にさらされるので、防水対策には万全を期します。

さて、搭載の効果はというと、まずタコメーターが装備されたことでエンジンのパワーバンドを把握でき、変速比計も付いているので、変速域やトップギア状態についても数値で具体的に把握できるようになりました。
これは、セッティングを詰める際に大変重宝していますし、ベルトの滑りや使用限界を推察することもできています。
さらに最高回転数、最高速度の記録も取れますので、セッティングの詰めや経時変化によるコンディションの変化を知ることもできます。
ツーリング中には、トリップメーターがあるおかげで、航続距離と比較しての最適な給油タイミングを見定められますし、燃費の記録を取るためにも大変役立っています。
気温計があることで、峠の寒さなどを数値で判断できますから、ジャケットを着るかどうかなど、装備の選択に関しても重宝しています。
表示モード切替スイッチは、平型タクトスイッチを、ハンドル左グリップ手前側に取り付けてあり、左手親指にてコチコチと押して切り替えるようになっています。

写真はツーリングの途中で、トリップ2の表示。
満タンにしてから146.74Km走行しています。
回転数1290rpm
気温17.3℃を表わしています。

カテゴリ: V100ハンドルまわり — 2013/02/04
ツーリングカメラの開発

走行中に写真が撮れたら!

ツーリングの時、走行中に写真を撮れたらいいのに、と思うことがよくありました。
走りながらカメラを出してシャッターを切るのは至難の業であるし、ベストショットは突然に訪れるものです。
実現すれば、地点通過のタイムスタンプにもなるので旅ログを振り返るにも役立つでしょう。
そこで、かなりの気合を入れて、車載カメラの開発に取り組みました。
幾つもの構想がありまして、例えば防水ケースに入れてフロントカバー内に固定してしまって、撮影後に記録したメディアを取り出す方法とか、ハンドル下にパイロンを設置して、取り外しのできるカメラをぶら下げる方法など、いろいろ考えました。
ベースとなるカメラに要求されるのは、外部電源で稼動できて、オートパワーオフも解除できて撮影可能状態を保持できる、というものです。
ある日、PansonicのSV-AS10という小さなカメラをオークションで見つけて、仕様を調べてみると、その要求を満たすことがわかりました。
元々の仕様として外部リモコンの機能もあります。
本体のオーディオジャックに接続した純正品のリモコンがあれば、リモートシャッターも可能なのですが、手に入れたセットにはリモコンは付属していません。
そのリモコンシャッターの動作仕様も分からなかったので、結局、本体をばらしてシャッター線を引き出すことにしました。

本体側面のシャッタースイッチとなるタクトスイッチがあります。この一方の端子がスイッチオンでアース側に落ちるとシャッターが切れます。
タクトスイッチの端子から、ポリウレタン線を使って配線を伸ばし、USB端子のデータラインの一つ(7番端子)に接続します。
使わなくなったデータラインは、基板上のパターンをカッターでカットしておきました。
この引き出した配線とGNDラインの間にスイッチを組めば、それがシャッターとなります。
常時駆動させるための電源は、ハンドルUSB電源から取りますので、ハーネスを製作します。
コネクタは、エレコムのUSB-SCMF8Uというケーブルから流用しました。
SV-AS10の駆動は4.8Vとなっていますが、ハーネス中にダイオードを1本入れて、+5Vからダイオードの電圧降下で目標とする電圧を得ています。
さて、電源供給方法ですが、これは仕様で単純にUSBバスパワーをかけただけでは「再生モードに切り替えて下さい」とのメッセージが出て、撮影することができません。
USBクレードルに差した状態なら撮影もできるので、充電のラインで給電すれば良いことがわかります。
この配線変更には少し悩みましたが結局、コネクタ流用のために購入したエレコムのUSB-SCMF8UというPC―カメラケーブルが、USBのデータラインが6番ピンではなく5番ピンに来ているので、本来の用途としては使えず非対応商品となっているのですが、それが逆に幸いして、本体側の改造無しに、USBケーブルの緑色のラインに4.8Vを通せば、外部電源駆動ができてしまうことがわかりました。

それらを総合して、ケーブルを作り、シャッタースイッチには大型タクトスイッチを採用し、ハンドルカバーに切れ込みを入れてカメラ運用時だけ取り付けて使うことにしています。クリック感がしっかりしているので、グラブをしていても間違いなくシャッターを切れます。
カメラの設置場所をハンドル上部にしたのも好都合で、乗車位置からカメラの電源ランプがよく見えて電源が入っているか、シャッターが切れたかを、点滅状態で確認することができます。
ハンドル上パイロン(マウント)は、CatsEYEの自転車用ライトのマウントの流用です。
そしてカメラとGPSをマウントするためのケースはアルミ板で製作しました。使用頻度の高いGPS単体のマウントもオプションとして作りました。

これで走行中であればV100からの電源供給でいつまでも連続稼動ができるようになりましたが、休憩時などメインキーを切った時には、うっかりカメラの電源を切り忘れるとみるみるカメラのバッテリーを消耗してしまいます。
完全に消耗し切ると、「バッテリーがありません」のメッセージが出て起動すらできなくなります。
このようなミスの対策としても、ツーリング行動中には専用のクレードルとACアダプタを持ち歩いて、毎晩宿で充電するようにしています。
PansonicのSV-AS10は、小さく作られていることや、レンズを正面に向けられることなど、まさにツーリングカメラのために造られているようなカメラだと思いました。走行中にいつでもシャッターを切ることができるので、ログ解析用にタイムスタンプとして使用したり、コーナリング中の写真とか、とっさに遭遇する場面において絶大なる威力を発揮しています。

以下は、撮影したサンプルになります。

コーナリング中もシャッターが切れますし、突然の虹も撮れちゃいます。

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レーダー探知機の搭載

電波が視覚的に表わされるのは面白い

基本的な動作のみの、ごく簡単なレー探であるが、安かったというだけで、ふっと買ってしまった。
それゆえにバラしても惜しげもなく作業ができるのです。いいお遊びです。

稼動中は、チップのオレンジLED二つを交互に点滅させてサーチしてるイメージを演出します。
そのための無安定マルチバイブレーターの回路を組んで、基板上に搭載してあります。
小型化するために、電解コンデンサもチップ部品を使用しています。
本体上で操作することはなくなるので、タクトスイッチ類も撤去しました。

音も出ないようにサウンダーを撤去して、その代わりに、音の信号から赤色5mmLEDを点灯させることにしました。
LED駆動用のチップのトランジスタを追加して、配線を伸ばしてLEDに接続。
外部に電源スイッチと、感度切替スイッチ、その感度を半固定抵抗で微調整できるようにしたユニットを組んで、ハンドル下に取り付けました。

エポキシボンドで固定中の図です。
メーターの左上にはスモークアクリル版をはめ込んだ窓を作りました。
フロントハンドルカバーの上部内側に貼り付けたレー探本体が、カバーを組み合わせることでこの窓からLEDを覗かせることになります。


さて、効果の程は、、極めてベーシックなレー探のために、自動ドアや信号機の車両検出用の電波も拾って反応してしまい、特に都会では過剰反応で、実用的とはとても言えません。
とはいえ、目に見えない電波が視覚的に表わされるというのは面白く、イルミネーションとしても素敵だったりして。
こんな装備品なのですが、よく通る道で取り締まりポイントを把握しているのであれば、LEDのパターンの違いで本当の取締りを見分けることができました。それも車列の先頭の方でしっかり照射してくれていたからなのですが。。。

実用性は低くとも製作や実装は楽しめました。さらに進んだGPSレー探の搭載は、シグ島にて、その様子を公開しています。

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ガーミンのナビを装備

ガーミン nuvi205が安くなっていたので買ってしまう

「そもそも自分のツーリングに、ナビは要らない。」と思っていました。
地図を眺めながら、ルートとターニングポイントをを頭の中に叩きこんで、誰にもせかされず、気ままに走るのが好きだからです。たとえ道を間違えたとしても、そんな遠回りも楽しみのひとつ、くらいに思っていましたが。
それでも、この手の電子機器には惹かれるものがあったので、どのナビが良いのかチェックしていたところ、ガーミン nuvi205の値段が近頃ぐっと下がってきましたので、ついつい買ってしまいました。


ナビ装着のため、もったいないですが付属の吸盤マウントからボールの部分だけ切り取ります。
このボールを、写真のようにハンドル右側ハードポイントに、裏からビス止めにして設置しました。その辺りは丁度ハンドルカバーをハンドルパイプに固定するためのステーがすぐ近くに来ているので割としっかりしています。ボールさえ取り付けられれば、あとは専用のクレードルをセット。クレードルを外すときは手前に傾けることでテコの原理によりポコッと外れます。
先にカメラとGPSの装備から作っていったので必然的にハンドル右に設置となりましたが、左にマウントした方が走行中に操作しやすいかも。いやそれの防止のために右側で。

電源はMiniUSBコネクタを介して給電されるのでハンドルUSB電源から+5Vを取り、GPS・カメラ用の電源ケーブルを追加加工してガーミンにも回せるようにしました。
これでV100のエンジンが回っている限り、いつまでもナビを稼動させておくことができます。
また、外部電源の供給ととガーミンの電源が連動しているので、メインキーをオフにすれば、メッセージ画面が出たあと電源が自動で落ちます。逆にキーオンにすれば電源が自動的に入ります。本体の電源スイッチを操作しなくて良いので、とても重宝しています。
ただし、カメラ、GPSロガーと共に3つのデバイスに同時に給電すると、消費電力が大きそうです。T/Mの電圧計がググっと下がりますので。(ガーミンが満充電になれば消費は低くなるようです)

使い勝手は、というと、
どんなデバイスも、最初のうちは読み取るために人間の頭を慣らす必要があるかも。
また、いつも通るようなルート上の走行では、その真価は明らかにはなりません。そんな慣熟のための期間を少し経てから、1泊2日で中部地方をたくさん走る機会が訪れました。

そのときは、初めて走る道で計画したターニングポイント(交差点に旗を立てておく)を指示してくれる安心感がありましたし、市街地でミスコースした際の復帰も指示通りに進めば容易に抜けられて、何よりも目的地のホテルまでの到着時間を表示してくれるのが頼もしかったです。
日本語入力など、まるでおかしなところもあるけれど、結構いいやつだと思えました。日没の時間を境にナイトビューに切り替わるのも、その時初めて確認しました。

もともと完全にナビに頼ろうとは思っていないので、コースが分かっているところはナビの指示を無視して突き進んでゆきます。
また、画面が小さく道の描画が粗いので画面上で地図を把握するという使い方にも向きません。これからも紙メディアの地図は持ち歩くでしょう。まず、そんな用法であれば、このナビで十分だと思いました。

雨でも使える!(防水カバーの製作)


雨天装備で使えるのは唯一GPSロガーだけだと割り切っていましたが、使い慣れてしまったナビの情報が無いと、右側が妙に寂しい。
ちょうど梅雨時のツーリングを計画していて、行き先は梅雨が無いとさえ言われる北海道でしたが 本州で降られることは必至の状況。クリアケースでカバーができるかも、とふと思いついて文房具屋でA6サイズのクリアケース(ジッパーつき)を買ってきて、カバーを作ってみました。

写真の向きで左下を基点として、そこから右に135mmの所でカットして切り口を、熱した1mmのアルミ板切れ端で押さえて溶着します。
さらに防水を考慮して「ボンドSU透明」で接着箇所を補強してあります。裏側はセンターに25mm径の丸穴を明けて完成。
まっ簡易防水にでもなれば、と気軽に作ってみたのですが、「簡易」ではなく十分に満足のいく防水性能を発揮してくれたのでした。
装着の際は容積がギリギリなので先にクレードルをセンターの穴に通しておいてから、ハンドルにセットし、USB端子を差し込んだガーミンを、このカバーの中で固定します。そしてジッパーを左に閉じます。

これを装着して、 かなりの激雨の中の走行も経験しました。その際、裏面の穴の隙間から少しの飛沫の滲入や、温度差による結露(主にジッパー付近)はありましたが、本体には全く影響は無く、トラブルはこれまでも皆無。雨天装備としては完璧の出来です。
気にしていた操作性についても、タッチパネルは何事もないように反応してくれて、ほんとに全く問題ありません。普段どおりの操作感です。
こうしてコストもかけずに、効果絶大な防水カバーを製作できて、ナビと共にツーリングには欠かせないアイテムとなりました。

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