2013年2月 | ページ 3

カテゴリ: V100車体 — 2013/02/05

タンク内のガソリンを使い切れるか?

走行中にフェールゲージの針がEラインを振り切り、まだ少し走れるはずと思いながらもハラハラしたことはないでしょうか。
トリップメーターのないスクーターにとっては、ガス欠寸前を教えてくれるような機能が必要だと思いました。

仕様としては、ガソリンセンサをタンク出口に設置して、タンクが空になった時点でLEDの警告を出します。タンクが空になってからも、ホースとキャブに残っているガソリンでのみで何キロかは走れるはずです。そのタイミングが最後の給油のタイミング。これでタンクの燃料をフル活用して最大限走り続けられますし、点灯しないうちはまだ走れる、という心理的な安心感が得られるのも大きいです。
そんな究極のエンプティセンサの開発のエピソードです。

カギとなるのは検出方法ですが、小さなフロートをパイプ内に組み込んで磁気でセンシングするとか、ホース中の羽根車を光でセンシングして流体検出など、いくつかプランを考えましたが、ふとした思い付きでシンプルで安全な方法を見つけて解決することができました。ガラス管内部の光の屈折を検出するというものです。

この写真ですが、コップの裏側のLED投光器から光が直進して通過し、光っているのが分かります。

これに水を入れると、光が屈折してしまい真正面からは見えなくなります。この変化をフォトインタラプタを使って検出するというアイディアでセンサー開発がスタートしました。

最初は対向型のフォトインタラプタでガラス管をはさみこんで検出しようとしました。実験回路ですが、一応目標とする動作はしたものの、どうしてもセンサ部分が大きくなってしまいます。実装するにあたって、どのように収めるか、頭を悩ませるところです。ちなみに、赤外線のフォトインタラプタの発光部は、デジカメのモニターで見れば光っていることを確認出来ます。
これで赤外LEDが生きているか、駆動回路が正常か、などの判断の目安になります。

検出部はフェールホースを分断して、その間にガラス管を使ったセンサを組み込むわけですが、ガラス管はどうしたかというと、普通サイズのガラス管ヒューズを流用しました。ガスコンロで金属部分を暖めると、接着剤が溶けて動くようになります。こうして両端の金属キャップを外してガラス管だけを取り出すことができます。ガラス管の外径は5.8mmあります。
ホースは内径5mmのものを使います。

たくさんの試作品を作りました。

センサは、最終的にはごく小さな反射型(TPR-105)で、十分な性能が得られることを発見しました。これはコップの水の実験とは少々違う原理になりました。
反射型フォトリフレクタから出る赤外線は、管の中が空のときは、ガラスの内径部分で空気との密度差により反射し、ガラスの厚み分だけで往復して検出されONになります。ガラス管内部に液体が満たされると内面では反射せず、光線がより奥まで直進して検出されないので、OFF状態となります。

この仕様で作り込み、精緻を極める作業でセンサは完成したのですが、設置場所には一工夫必要でした。
負圧コックより下流のキャブに繋がるラインなら、万が一ガラス管が割れた場合でもエンジンを切って負圧コックが閉じればガソリン流出が防げます。それで最初は安全上の観点からそこに設置したのですが、実際に動作させてみると、この位置ではホース内に抜け切らない空気の泡が常に存在していることが発覚し、頻繁に点滅を繰り返すだけの不満足な結果に終わりました。それで最終的にはタンク出口と負圧コック間にセンサを取り付けることになりました。
古いホースは硬化していることがあります。硬化したゴムに無理してガラス管を通そうとすると割ってしまいます。また、この部分のホースは特殊でガソリンタンク側の内径が6mmに対し、コック側内径が5mmとなっています。それで純正部品を注文して、新品のホースを思い切って真ん中で切断し、その間にエンプティセンサを取り付けました。
ホースインレット:44199-41D10


これで動作は完璧になりました。点灯してからどれだけ走れるかを把握するため、ガス欠になるまで走るという実験をしてみました。燃料計はEを振り切り、貼り付いた状態。
するとまず加速時の液面の変化に反応してチラッと点灯するようになりました。そのまま走ると、やがて点灯しっぱなしになり、そこからは2~3キロが安全圏内ということが分かりました。
実際には荒業で車体を左右に揺さぶると、落ちづらくなっている最後のガソリンまで使えるので、その方法でもっと走ったこともあります。これを装備してからは、燃料計の針が振り切ったとしても落ち着いていられます。

後日、ツーリングモニタを装備してトリップメーターが使えるようになったので、頭の中で計算した航続可能距離と合わせて的確な給油タイミングを計ることができています。
なお、エンプティセンサの 増幅とLED点灯のための回路はメーターユニットの項目で紹介しています。

カテゴリ: V100車体 — 2013/02/05

フェールリッドのリモコン(企画段階)

V100の特徴である給油口を開閉するのにシートロックの反対回しというのは革新的ではありましたが、ロングツーリングで一日に2度3度と給油するような場合は、それさえ面倒に思えてきます。実際CE13A型からはメインキーでオープンできるように改善されています。

そこで、アクチュエーターを使って電気的にレバーを引き、リッドをオープンさせることを考えました。オイル給油口の周りを覆っているアッパーカバーを外すと、シートロック機構の下側にレバーが見えます。それにハリガネを引っ掛けて手前に引いてやると、フェールリッドは開きます。
アクチュエーターもサイズ的には収まりそうですし、しっかりしたステーを作り、オープンさせるだけのトルクとストロークが得られれば、フェールリッドのリモコンは実現できるでしょう。配線はメインキーの右側垂直面にプッシュスイッチを設置して、メインキーオンの時にボタンを押せば、12Vが流れるように接続するだけです。
現在試作は頓挫しています。。

カテゴリ: V100車体 — 2013/02/05

電気系統は経年変化で劣化するもの

劣化してしまうのは、メインハーネスの構造によります。
この写真にあるように、メインハーネス内ではワイヤーを分岐させるために、ただのカシメを使っているだけなので、銅線表面の酸化で接触抵抗が増える傾向にありますし、とりわけ雨が浸入してしまうと著しく錆が進行し電気抵抗は増えてしまいます。特にマイナスの黒線は各部に回されるため、分岐箇所が多いです。
それで8sqほどの太さの耐熱線を用意して、アースラインを強化してみました。

アース線をビス止めするアースポイントは、バッテリー端子以外に、3箇所設定しました。アース線は3本使用しています。

エンジンのアースポイントはノーマルで使われているエンジン廃熱カバーを留めているポイントをそのまま利用しました。しかし後に塩害などの影響を受け易いデメリットも判明しましたが、とりあえずそのままに。
ハンドルには穴明けしてP3を設置

レギュレータ取り付け部には3本のアース線が集約されています。レクチファイア・レギュレータのアルミのボディは内部とは接続されていません。
折角近くにアースポイントが来るようになりましたので、コネクタ部から短い線を出してP2に落としています。(黒い線)(この写真では3本目のラインをまだ設置していない状態です。)

3本目のアース線はバッテリー端子間のコンデンサも付加しました。
よほどノーマルのハーネスがヘタっていたのだと思いますが、これらの改修を行なってライトの光量アップも確認できエンジンの回転も軽くなったように思います。

カテゴリ: V100車体 — 2013/02/05

LEDテールは、様々なタイプが出回っているようですが

コストパフォーマンスの優れているのは、どのようなユニットでしょうか。一般的な5mmの砲弾型のLEDは輝度が得られないがコストが安く、数を揃えれば有効です。
最近普及してきたFluxタイプは一個一個の輝度は高いが、多少値段は張ります。
PowerLEDを使っても良いのですが、単価が高いし、駆動電流も大きくなり、放熱にも気を遣います。使う抵抗も1/2Wとか部品が大きくなり電流制限回路を組むにしても構造が複雑になります。ここもフェールセーフの考え方が重要になる部分です。尾灯が切れたら、おまわりさんに捕まってしまうし、ストップランプの断線は大変危険です。構造は簡単に、どこかが壊れてもどうにか機能する回路を考える必要があります。
そのようなことを考えてみた結果、Fluxタイプの使用が一番適しているのではないかと思います。

ということで組んでみたものがある。面全体の発光を狙ったものではなく、バルブの代わりとして、中央に集約した光源をノーマルのリフレクタで拡散しようという形です。赤色Flexを10個テールとナンバー灯を兼ねて白のFlexを2個仕様していますが、これが失敗。

白LEDの光でテールレンズを通した光は、赤が色褪せて、みすぼらしく、綺麗に見えません。
ナンバーもピンクナンバーだから、ナンバー灯も赤でいいかと考えて、現在改修中で、未だに搭載されていません。

ページトップへ