2013年2月 | ページ 6

カテゴリ: V100その他 — 2013/02/04

ひかリング

ヘッドライトを明るくする研究
V100のヘッドライト輝度低下の要因の一つに、電球のアース端子の接触不良があります。ライトバルブのソケットが当たる箇所には、雨も浸入したりして錆びが発生しやすいのです。加えてソケットの外周部にある接触部分の面積が小さいので経年変化で錆びてくると輝度に影響を及ぼします。

そこでバルブソケットから直接アースを引き出したらいいのでは、と考えて、まず簡単に芯線をむき出しにして丸くした配線を作ってみました。しかしこれは、厚みがありすぎてバルブの位置が後退し、光軸が合わず光が拡散して失敗。
2番目は0.2mmの無酸素銅板を切り抜いてリングを作り、これをソケットベースにはさみこんでバルブを取り付け、アースを引き出してみました。
これはある程度成功し、Hライトも暗いなりに明るくなって効果を感じられたのですが、耐久性に問題がありました。長時間の振動が加わることによって、取り出し部分が折れてしまい、それ以前にも雨に濡れたことでバルブとこのリングの接触部分に酸化が見られていたりもしました。
最終的には半ばヤケになってバルブのソケットに直接ハンダ付けでアース線を引き出す格好にして、それでさすがに長期安定して使用できています。
これに加えて、アーシングの改善でひとまず成果は見られました。

かつてのチャイナクオリティ

かつて、これは安い!と、手を出した外装パーツでありましたが、何ともひどい作り。
ヘッドライト取り付け部も厚みがありすぎてフィッティングストッパが入らないです。仕方なくストッパを削って薄くして、さて付けてみると
何と!微妙に大きさが違うではないですか。これでは着かない。
メードインチャイナも今では品質がよくなったと思うのですが、かつてはこんな縁日の夜店で売っていたプラモデルのようなひどい成型のものが流通していたのです。
しかしこんなもの作ってどうするのだろう。

ミッションのベアリング

初号機はミッションのノイズが大きめで、ケースを開けてベアリング単体で回してみると、このドライブシャフトのベアリングがゴロゴロいって引っ掛かりもあり要交換であることがわかりました。Vベルトの比率によって、ここはエンジン回転数よりもさらに高い回転数になります。
オイルシールとセットで交換することになります。

純正品番
ベアリング 08113-63030
オイルシール 09283-17023
パーツリスト・プライスリスト

カバー内側にはマグネットがボルトで止めてあります。これで細かい金属粉をキャッチする仕組みです。ここもよく清掃しておきます。
このベアリングの交換は、さほど難しくありません。他のベアリングは専用工具が無ければ取り外しに苦労するはずですが。 他は大した引っ掛かりもなかったので、そのまま使用することにしました。
実際このベアリングの交換だけでも、だいぶおとなしくなってくれました。

キャブレターを拡大加工

V100をロングツーリングで使用する際に求められるスペックを達成するために、キャブレターはノーマルを内径拡大してみました。
こんな程度なのですが、他の改修とあわせて、これで十分目標とするエンジン特性は得られたと思います。メーターはとりあえず振り切りますが、実速ではツーリングモニタの数値で、あと2Km/hプラスすれば3桁に届くというところに留まっています。
それでもスタートや登坂性能で格段の向上をみました。まだまだ手ぬるいところもありますが…

ヘッドライトリレー


Hiビームインジケーターを搭載したい関係で、副産物としてこうなりました。
ディマースイッチには5Vを通すようにして、Hiにするとリレーに通電し、リレーをONするようにします。
その電流でHiビームインジケーターも点灯していると言うわけです。
接点容量が低いとライトが暗くなるかもしれません。
2回路のリレーでしたので、両方の接点を使って同時に動作するようにしましたが、のちに大容量のパワーリレーにしました。
逆起電圧を処理するダイオードを入れておかないと貴重な青LEDが飛んでしまいます。(実際やりました)

カテゴリ: V100ハンドルまわり — 2013/02/04

ツーリングモニタは、ワンチップマイコンを使用したマルチメーター

これまでにメーターユニットは改修を行ない、とりあえずは満足のゆくものとなっていたのですが、更なる機能として、タコメーター、気温計、トリップメーターがあれば、と思っていたところ、これらの機能を満たしてくれる「ツーリングモニタ」というマルチメーターを作って販売している方のサイトに出会いましたので、早速これをV100用に流用できないか検討してみました。
ツーリングモニタを販売している、“あおでん”さんのページ
ただし対象がマジェ250など、デジタルメーターの機種向けのものなので、V100でスピードパルスの信号をどうしたら得られるか、が実装に向けての大きな壁となっていました。秋月で扱っているOH182/Eという非接触回転速度センサがありまして、これを基に車速パルサを製作することにしました。

センサの設置場所は、メーターギアにしました。万が一メーターケーブルが切断したとしても、ツーリングモニタの方では車速を確認できる、というフェールセーフの設計思想でもあります。
ホイールから回転を受けて駆動されるプラスチックのピニオンギアは、更にウォームギアを回転させ、こちらは金属製なので前述のデバイスにてピックアップするのには最適です。
メーターギアのケースは、一見すると金属製のようにも見えますが、実はプラスチック製です。ウォームギア周辺のの肉厚は4.5mmもあります。
ウォームギアの歯数は9枚
タイヤ1週で17パルス検出という仕様になります。
ちなみにメーターギアのオイルシールは単体では部品が供給されていませんが、34-48-5 というサイズなので、同じものを他社のばら売りしているメーターギアのパーツから見つけられるかもしれません。

ウォームギアの埋まっている場所をを目指して、カッターで削ってゆき、ついには小穴が開いてウォームギアが見えるようになるまで削ります。ギアとの距離が最短になるように、また実際にLEDを点滅させる実験回路を繋いで、検出具合を確認しながら、ちょうど良い位置にセンサを設置しました。
OH182/Eはデバイスの横方向に通過する金属ギアの山を検出します。ウォームギアの山に対して直角になるような位置に設置すると、このように斜めになります。
エポキシボンドで固定し、配線をハンダ付けした後には、RTVゴムで固めました。

ところで、OH182/EのHiの出力は1.6Vなのです。これではツーリングモニタの入力には低すぎるのでオペアンプLM358Nを使用してスピードパルスを増幅しています。そのための追加の回路も設置して、これで十分に動作することを確認しました。
左上のガラエポ基板の部分が追加した増幅回路です。

表示部の実装はとりわけ苦労したところです。
あおでんさんから供給していただいた防水のディスプレー部分は、V100のハンドルカバー上に設置するには大きすぎましたので、超小型LCDキャラクタディスプレイモジュールを購入して、スマートにマウントする方法を模索しました。
こんな感じで、右側にマウントを試みます。仕様が固まれば、ザックリ切込みを入れて。


タカチプラケースを加工して液晶のケースを作って。レンズは対候性に優れたアクリル版です。
右がマウント途中のところ。ケースやレンズはエポキシボンドで固定してしまうので、メンテナンスのことは考えていない造りとなっていますが。

こんな感じで。ビルドインすることができました。ちなみに、左側のスモークのレンズ部分は、レーダー探知機の窓です。
本体ユニットは、フロントカウルのステー上部に取り付けました。ここも風雨にさらされるので、防水対策には万全を期します。

さて、搭載の効果はというと、まずタコメーターが装備されたことでエンジンのパワーバンドを把握でき、変速比計も付いているので、変速域やトップギア状態についても数値で具体的に把握できるようになりました。
これは、セッティングを詰める際に大変重宝していますし、ベルトの滑りや使用限界を推察することもできています。
さらに最高回転数、最高速度の記録も取れますので、セッティングの詰めや経時変化によるコンディションの変化を知ることもできます。
ツーリング中には、トリップメーターがあるおかげで、航続距離と比較しての最適な給油タイミングを見定められますし、燃費の記録を取るためにも大変役立っています。
気温計があることで、峠の寒さなどを数値で判断できますから、ジャケットを着るかどうかなど、装備の選択に関しても重宝しています。
表示モード切替スイッチは、平型タクトスイッチを、ハンドル左グリップ手前側に取り付けてあり、左手親指にてコチコチと押して切り替えるようになっています。

写真はツーリングの途中で、トリップ2の表示。
満タンにしてから146.74Km走行しています。
回転数1290rpm
気温17.3℃を表わしています。

カテゴリ: V100ハンドルまわり — 2013/02/04

走行中に写真が撮れたら!

ツーリングの時、走行中に写真を撮れたらいいのに、と思うことがよくありました。
走りながらカメラを出してシャッターを切るのは至難の業であるし、ベストショットは突然に訪れるものです。
実現すれば、地点通過のタイムスタンプにもなるので旅ログを振り返るにも役立つでしょう。
そこで、かなりの気合を入れて、車載カメラの開発に取り組みました。
幾つもの構想がありまして、例えば防水ケースに入れてフロントカバー内に固定してしまって、撮影後に記録したメディアを取り出す方法とか、ハンドル下にパイロンを設置して、取り外しのできるカメラをぶら下げる方法など、いろいろ考えました。
ベースとなるカメラに要求されるのは、外部電源で稼動できて、オートパワーオフも解除できて撮影可能状態を保持できる、というものです。
ある日、PansonicのSV-AS10という小さなカメラをオークションで見つけて、仕様を調べてみると、その要求を満たすことがわかりました。
元々の仕様として外部リモコンの機能もあります。
本体のオーディオジャックに接続した純正品のリモコンがあれば、リモートシャッターも可能なのですが、手に入れたセットにはリモコンは付属していません。
そのリモコンシャッターの動作仕様も分からなかったので、結局、本体をばらしてシャッター線を引き出すことにしました。

本体側面のシャッタースイッチとなるタクトスイッチがあります。この一方の端子がスイッチオンでアース側に落ちるとシャッターが切れます。
タクトスイッチの端子から、ポリウレタン線を使って配線を伸ばし、USB端子のデータラインの一つ(7番端子)に接続します。
使わなくなったデータラインは、基板上のパターンをカッターでカットしておきました。
この引き出した配線とGNDラインの間にスイッチを組めば、それがシャッターとなります。
常時駆動させるための電源は、ハンドルUSB電源から取りますので、ハーネスを製作します。
コネクタは、エレコムのUSB-SCMF8Uというケーブルから流用しました。
SV-AS10の駆動は4.8Vとなっていますが、ハーネス中にダイオードを1本入れて、+5Vからダイオードの電圧降下で目標とする電圧を得ています。
さて、電源供給方法ですが、これは仕様で単純にUSBバスパワーをかけただけでは「再生モードに切り替えて下さい」とのメッセージが出て、撮影することができません。
USBクレードルに差した状態なら撮影もできるので、充電のラインで給電すれば良いことがわかります。
この配線変更には少し悩みましたが結局、コネクタ流用のために購入したエレコムのUSB-SCMF8UというPC―カメラケーブルが、USBのデータラインが6番ピンではなく5番ピンに来ているので、本来の用途としては使えず非対応商品となっているのですが、それが逆に幸いして、本体側の改造無しに、USBケーブルの緑色のラインに4.8Vを通せば、外部電源駆動ができてしまうことがわかりました。

それらを総合して、ケーブルを作り、シャッタースイッチには大型タクトスイッチを採用し、ハンドルカバーに切れ込みを入れてカメラ運用時だけ取り付けて使うことにしています。クリック感がしっかりしているので、グラブをしていても間違いなくシャッターを切れます。
カメラの設置場所をハンドル上部にしたのも好都合で、乗車位置からカメラの電源ランプがよく見えて電源が入っているか、シャッターが切れたかを、点滅状態で確認することができます。
ハンドル上パイロン(マウント)は、CatsEYEの自転車用ライトのマウントの流用です。
そしてカメラとGPSをマウントするためのケースはアルミ板で製作しました。使用頻度の高いGPS単体のマウントもオプションとして作りました。

これで走行中であればV100からの電源供給でいつまでも連続稼動ができるようになりましたが、休憩時などメインキーを切った時には、うっかりカメラの電源を切り忘れるとみるみるカメラのバッテリーを消耗してしまいます。
完全に消耗し切ると、「バッテリーがありません」のメッセージが出て起動すらできなくなります。
このようなミスの対策としても、ツーリング行動中には専用のクレードルとACアダプタを持ち歩いて、毎晩宿で充電するようにしています。
PansonicのSV-AS10は、小さく作られていることや、レンズを正面に向けられることなど、まさにツーリングカメラのために造られているようなカメラだと思いました。走行中にいつでもシャッターを切ることができるので、ログ解析用にタイムスタンプとして使用したり、コーナリング中の写真とか、とっさに遭遇する場面において絶大なる威力を発揮しています。

以下は、撮影したサンプルになります。

コーナリング中もシャッターが切れますし、突然の虹も撮れちゃいます。

カテゴリ: V100ハンドルまわり — 2013/02/04

電波が視覚的に表わされるのは面白い

基本的な動作のみの、ごく簡単なレー探であるが、安かったというだけで、ふっと買ってしまった。
それゆえにバラしても惜しげもなく作業ができるのです。いいお遊びです。

稼動中は、チップのオレンジLED二つを交互に点滅させてサーチしてるイメージを演出します。
そのための無安定マルチバイブレーターの回路を組んで、基板上に搭載してあります。
小型化するために、電解コンデンサもチップ部品を使用しています。
本体上で操作することはなくなるので、タクトスイッチ類も撤去しました。

音も出ないようにサウンダーを撤去して、その代わりに、音の信号から赤色5mmLEDを点灯させることにしました。
LED駆動用のチップのトランジスタを追加して、配線を伸ばしてLEDに接続。
外部に電源スイッチと、感度切替スイッチ、その感度を半固定抵抗で微調整できるようにしたユニットを組んで、ハンドル下に取り付けました。

エポキシボンドで固定中の図です。
メーターの左上にはスモークアクリル版をはめ込んだ窓を作りました。
フロントハンドルカバーの上部内側に貼り付けたレー探本体が、カバーを組み合わせることでこの窓からLEDを覗かせることになります。


さて、効果の程は、、極めてベーシックなレー探のために、自動ドアや信号機の車両検出用の電波も拾って反応してしまい、特に都会では過剰反応で、実用的とはとても言えません。
とはいえ、目に見えない電波が視覚的に表わされるというのは面白く、イルミネーションとしても素敵だったりして。
こんな装備品なのですが、よく通る道で取り締まりポイントを把握しているのであれば、LEDのパターンの違いで本当の取締りを見分けることができました。それも車列の先頭の方でしっかり照射してくれていたからなのですが。。。

実用性は低くとも製作や実装は楽しめました。さらに進んだGPSレー探の搭載は、シグ島にて、その様子を公開しています。

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