2013年2月

カテゴリ: Sygハンドルまわり — 2013/02/28

冬のツーリングが少しでも快適になればと、ヤフオクで買った電熱グラブ。

だがBikeでの使用は風が当たり続けるから非力感が否めない。新品の電池を入れて1時間もしないうちに最初に感じた暖かさは失われる。
それでは、ということでシグから電源を取って有効活用する方法を考えた。

ただこのグラブはバイク向けとしては裁断がイマイチ、というか危険なほど親指を広げることができないので実際にブレーキを握るにも少々コツが要る。
そこで親指の付け根の縫い目をほぐして、親指が広がるようにしておいてからパッチを貼って、この点は解決。
単3電池3本使用だから4.5Vで使うようだが、実験用の電源を繋いで試してみると、5V位あれば頼もしい温まり方で、それ以上は必要なかった。

さて、電源はちょうと手元にHRD12008という12V8A取り出せる巨大なDC-DCコンバータがあった。
電圧は12V固定ということだが、調べてみると中の抵抗を変えてやれば可変にできるようなのでボリュームを付けてみよう。
ICの基準電圧は2.5Vのようなので
2.5*(R1+R2)/R1という計算式の元に、基盤表面の端にあるチップ抵抗(二つで合成抵抗値を作っている)を変えて実験してみる。
(分圧抵抗のうち、R1は裏面のアース側、R2は表面の合成抵抗ということで勝手に名付けた)
これで計算どおり5KΩで5Vちょっとになった。ここからボリュームまでの配線を引き出して外付けのコンデンサも大量に必要とするようで、資料ではIN側に560μX2、OUT側に1000μX2が必要となっており、本体の大きさとも相まってかなりスペースを必要とするのだ。

ボリュームは5KΩのスイッチ付きのものをチョイスして、ON-OFFもツマミひとつでできるようにした。
LEDのパイロットランプも付けてハンドルカバー後部に設置してみる。
計算どおり無負荷で最大5.39Vとなる。抵抗値を下げると電圧が下がってゆくので、ツマミを右に回してカチッと電源ONしたら徐々に抵抗値が上がるように配線する。
これは強力なアイテムとなった。
ただ有線なのでコードが邪魔なのは仕方ないが、それを補って余りある効き目。気温や風の当たり方、また日差しによっても指先の温度は変化するので、こまめな温度調整ができて申し分ない。
MAXで使うことはほとんど無い。もしかしたら低温やけどするかもなんて考えてしまうほど。

この冬で2期目の運用となるがちょっとしたトラブルも経験。
年末の長距離ツーリングに出かけた折、何と初日にグラブが温まらなくなりDC-DCでも故障したかと心配になったが、結局はDCプラグの接触不良であることが判明。
DCプラグのカバー内、半田付けする端子の部分の構造がただカシメてあるだけなので、振動で緩み接触が十分ではなかったため。
旅行中はだましだまし運用して、帰ってきてから半田付けして完治。ヒーターが効いてるかどうかは電圧計の変化でも見て取れた。

熱線が入っているのは4本の指の付け根から第2関節あたりまでなので、熱線の入っていない親指だけは流石に冷えてしまう。
とはいえ、この装備のおかげで冬のツーリングでもかなり快適。
あとは足元にエンジンの廃熱を回す足元ヒーターがあれば完璧だ、などとまた考えてしまうのです。

カテゴリ: Sygその他 — 2013/02/11

YAMAHAはオンラインでパーツリストが見れるのだが、不便なところも

YAMAHAの比較的新しい機種であれば、ネット上でパーツリストが公開されており、部番やプライスを調べることができます。とても良いサービスです。
が、目当ての情報にたどり着くまでが大変ではないですか?なんとかに同意するだのフレームナンバーを入力とか…。また新しいブラウザには対応していないようなので、この際Webで見るのではなく、紙に印刷してパーツリストを作っちゃいましょうか。

ブラウザを選びます
ブラウザが対応していないと、機種検索のところでプルダウンメニューも検索ボタンも動作しないため進めません。機種検索を経て、部位を選択した後の画面で、左がイラスト、右がリストの分割表示になっていれば問題なく機能しています。
推奨ブラウザがIE5.5と書いてありますので、システムはだいぶ古いものではないでしょうか。
3年前に印刷した時はIE7ですべてできたような記憶がありますが、今回改めてやってみると、IE7ではイラストが表示されず、Chromeでは機種検索から先へ移動できず、Firefoxではリストが表示されませんでした。IE8では問題ないようです。
動作するブラウザを選べましたら、以下のような手順で印刷します。

まずYAMAHAの部品情報検索にアクセスします。
YAMAHA部品検索サイト
続けて「バイク・スクーター・電動スクーター」>「同意する」をクリック > 機種検索でフレームNoなりを記入して、ようやく5UA5のパーツリストまでたどり着きます。(大変ですね。)
そしたら、「部位名」のところで、まずは「シリンダヘッド」をクリック。
シリンダヘッドのページに切り替わります。そこで「印刷プレビュー(イラスト)」をクリックしますと、ポップアップで図面が表示されます。
そのウィンドウを印刷するのですが、2画面印刷の設定にしておきましょう。用紙を2分割して左側だけに印刷されるようにします。
右側に部品番号のリストが表示されていれば、ここで「印刷プレビュー(リスト)」をクリックして、出てきたポップアップのページすべてを選択(Ctrl+A)してから、コピー(Ctrl+C)します。Excelを立ち上げておいて、コピーした部品番号のリストを貼り付けます。
印刷と表のコピーができたら、「前のページへ戻る」をクリックして部位選択に戻り、次の部位を順次指定。
あとはこれを繰り返して、シリンダーヘッドからワイヤーハーネスのページまでのイラストのみを印刷しつつ、部品番号のリストをExcelに取り込んでおきます。
(これで半分以上できたことになります。)

そしたらExcelのセルの幅や高さを調整して折り返しがないように見やすく整えます。その上で印刷プレビューをかけてページ分割を確認しておきましょう。
こちらは用紙の右側に印刷したいので、偶数ページとなるように空白セルを縦に伸ばすか、改ページを入れるなどして調整します。
これができたら、先ほど図面を印刷した用紙を、後トレイにセットして、2in1の指定で印刷します。偶数ページなので右側に印刷されるはず。
この通りになりましたか?
これを全ページ印刷して端をホッチキスなどで留めたらパーツリストが完成です。正規に買えば3千円以上したと思いますが、これならせいぜいプリントコストのみで手にすることができます。

ちなみにYAMAHAの部品番号の構成は以下のようになっています。
部位を示すコードは、エンジン関係は1で始まり、ハンドルまわりは2で始まるなど規則性がありますのである程度推察できます。(ミラーは26290 ハンドルパイプは26111という感じで)
これ以外にオイルシール、Oリング、ベアリングなどは数字から成る二区切りの部品番号で表され、ベアリングはサイズがそのまま部番に反映されています。

カテゴリ: Sygエンジン — 2013/02/11

160ccにボアアップです!シグも遂に原付二種の枠を超えた!
実用性はかなり増した。かえって中途半端な気もした。

原付二種では通れなかった自動車専用道路を走れるようになり、運用の幅は広がり、パワーのゆとりも加わって、どこへ出かけるにも全く不足のない、この上なく使える機体となった。
燃費はさほど落ちない(街中で30Km/L前後、ツーリングで35Km/L前後)。
不利に感じるのはフェリーに載せるときか。この車体でも750ccと同じ料金の適用となり、仕方ないけど何か割に合わないような。
有料道路も原付なら数十円、という道でも2百円くらいかかったり。税金も自賠責も。。。
いいんですよそれでも。それを上回るメリットがあるのだから。2輪そのものを通行禁止にしているのでない限り、通れない道は無くなったわけですから。
そのように二輪の自動車という大枠の仲間入りをしたことを考えると、かえってシグでは中途半端だと思ってしまったり。小柄なV100に全てを凝縮するのは、まるでガラケーのようで面白かったですからね。

まずはボアアップから。

今回はHUNTERさんのキットで組んでみた。コストパフォーマンスは良いと思います。
ピストンサイズは59mmであるから
以下の計算式に基づいて
3.14×5.90×5.90×5.79÷4=158.3
正確な排気量は、158.3ccということになる。
このキットには厚みの違うベースガスケットが2枚付属していて、どちらを使うか少し考えましたが、計算するとかなり圧縮比が上がるようだったので、無難な方をとり厚いペースガスケットの方を採用します。

エンジンを下ろさずにシリンダー交換をしてみました。外装はすべて外しての作業となります。
実は2stよりも、4サイクルエンジンをいじっている時が一番楽しい。
シリンダー周りのエアシュラウドやパイプ類をみな外してから、カムチェーンテンショナーを外し
カムスプロケットを外して、ヘッドボルト4本と左サイドのヘキサゴン2本を外すと、シリンダーヘッドを外すことができます。
シリンダーヘッドはこの機会にオーバーホール。バルブの擦り合わせと、ポートの加工も行ないました。何しろ排気ポートはデチューンかと思われるほど細く絞り込まれていましたので。

作業中はほとんど写真は撮らなかったのですが、後の登録のためにと思って、ノギスを当てた写真などは撮りました。

再び丁寧に組み立てていきます。
ピストンリングの開口部の位置をどこに向けるかはキットの説明書にも記されていましたが、サービスマニュアルの指示通りに X になるように組みました。つまりピストンを上から見て、左上が1st、右下が2nd、左下Oil-up、右上Oil-lowな具合です。
バルブタイミングを合わせるのも慎重に進めて、一通り完成してからもチェックを怠り無く。そしてキックで何回かクランキングしてからいよいよ始動。
自分が組んだエンジンが動き出す時は、いつでもちょっとした感動があります。ノイズも無く静かに回り出し、満足のいく仕事ができました。

M/Jは、#115から始めて様子を見ました。それ以上濃くしても無駄に燃費が落ちるだけのようで、#112でしばらく運用しています。
トルクが出るので駆動系のセッティングも回転を抑える方向に持って行って、高速巡航などもいい感じです。

エンジンオイルはAMSOILを使ってみました。
心臓部に社外品を使うことに若干の不安もあったからで、いいオイルでリスクを減らそうと思ったのです。確かにAMSOILは金属に良く馴染むようです。オイルに浸っていた部品を手にしてみると、その感触からして違いがすぐにわかります。
プラスチックボトルで1本が1Qt(946cc)入り、というのもシグにはピッタリ使い切りです。値段は送料など含めると、現在、2,600円ほどで流通していますが、ロングライフも売りなので、メーカー指定交換サイクルの3,000Km走行まで使うようにしています。
これ以前は、リッターで千円ちょっとのオイルを1,500Km位の走行で交換していましたから、コスト的には全く遜色ありませんし、交換作業の手間も省け、エンジンも保護してくれるとなると、とてもいいチョイスだと思います。

さて、160ccにしたら正式に登録もしなければなりません。むしろそれが狙いでもあったので、いよいよ登録に行きます。

軽二輪登録の流れ

原付二種から軽二輪への登録は、ネット上でもたくさんの情報がみつかります。肝心なのはそれぞれの陸事で、少しづつ必要とされるものが違うことなので、まずは事前に電話をかけて、その辺りの確認をするのが良いでしょう。この時、ご担当者の名前をいただいておきます(重要かも)

いよいよ当日、区役所で原付二種の廃車を済ませてから陸事に向かいました。
持って行ったのは

  • 申立書〔原動機番号の拓本(リヤショック取り付け部付近の)および旧シリンダーの拓本(124cm3)を貼付けしたもの〕
    申立書のサンプル
  • 廃車申告受付書(市、区役所でいただくもの)
  • 諸元表(変更後の諸元表です)諸元表のサンプル
  • キットの販売証明(これのみで変更後の排気量の証明となるようです)

申立書・諸元表サンプルのWord版をダウンロード

当該陸事にて以下は不要でした(準備して出かけて行ったのですが)

  • 変更申請書
  • 改造説明書
  • 誓約書
  • 車台番号の拓本
  • 原付廃車申告書のコピー(軽自動車協会で原書を見せればOK)

しかし何と、うっかりしていたことか陸事、軽自協会は4時までで受付終了だったことを忘れていたのだ!
でも、めげずに関係する窓口で、電話した時の担当者の名前を出して「先日、電話した者ですが、できれば書類に不備がないかだけでも確認していただけないでしょうか。」と申し出る(重要度は低いかもしれないが、スーツにネクタイ姿で)。
すると、快くこちらの書類を受け取っていただけて、過去の申請書のファイルを持ち出して照合などしていました。その受理済みの申請書のファイルには、シリンダーにノギスを当てた写真が添付されているものなども見えて、皆さんネットの情報をうまく活用しておられることが分かりました。
そんなわけで、次回、再び時間内に来た時にすんなりと受理していただけるよう、不備を洗い出せればと思っただけなのですが、「問題ありません」ということで、申立書は正式に受理!そのコピーにハンコを押したものをらって、陸事での作業はすべて完了となりました。
4時から5時までは、そんな事務処理なら対応していただけるようです。
後日、出向くのは軽自動車協会だけ。一応こちらでも事前に書類確認と手順の確認をしてきました。

そして再び軽自動車協会へ
軽自動車協会で必要な書類

  • 陸事で承認された書類一式(申立書の判入りコピー、廃車申告受付書(原書の確認だけしたら戻ってくる)、諸元表、販売証明)
  • 住民票
  • 申請書類一式を70円で買う(事前にもらってきて家で記入した)
  • 自賠責保険の費用(ここで加入できる)
  • 重量税5500円の印紙を買って台紙に必要事項記入し貼り付け
  • ナンバー代520円払ってナンバー発行

これで見事に、軽二輪のナンバープレートを取得することが出来ました!

行なうべきことを整理すると、以下のような流れになります
— phase 1 —
原動機番号の拓本取る
旧シリンダーの拓本取る
申立書、諸元表の完成
販売証明書取り寄せ

— phase 2 —
市(区・町・村)役場:廃車、ナンバー返納
市(区・町・村)役場:住民票取得

— phase 3 —
陸運支局:各書類提出。申立書の受理とコピーに判を押したものをもらう。
軽自動車協会:登録手続き、自賠責、重量税支払ってナンバー発行

— phase 4 —
保険会社:原付自賠責の解約
任意保険の変更(等級は引き継げました!月額1000円アップした程度です)

さて、この白ナンバーを付けたシグで初めて自動車専用道路のバイパスを走った時は、後ろめたくはないけど、不安も大きかったです。自分に言い聞かせながら走りました、「大丈夫、オレは軽二輪なんだ。」
その後ETCも装備して!東京湾アクアラインも走りました。周りからは、ああっ原付だ!と驚かせてしまったかもしれないけど。シグはこの大きいナンバーの方が、よく似合うと思います。

カテゴリ: Sygハンドルまわり — 2013/02/10

さらに進んだ、シグのツーリングモニタ

ツーリングの際には、リセットできるトリップメータや気温計は必須の装備。そしてタコメーターがあればセッティングを詰めるのにも役立つことは、V100のツーリングモニタ搭載で十分に実証済み。
同じ装備をぜひシグにも!ということで、製造元のあおでんさんにご無理をお願いして、プログラムを改修したPICのみを供給していただくことにしました。
プログラムは大方V100と同じですがV100のCDIのページで触れているようにV100はクランク1回転で2回の点火、シグは1回の点火ということで、そこを変更していただいたうえで提供していただきました。
あとはユニバーサル基盤で回路を作ってゆきましたが、この過程でも温度センサーのご提供と校正までしていただいたり、大変お世話になりました。

そんなわけで、デバイスは調達できましたが問題はどこに設置するかです。シグののっぺりとしたメーターパネル周辺は、眺めていてもまるでいいアイディアが浮かんでこないが、思い切ってザックリ切れ込みを入れながら試行錯誤すると、メーターを取り付けているスクリューと共締めにすれば、ベースとなるアルミ板をいい感じに固定できることが判明。
そこまで決定すれば、あとはその上に構造物を設計するのみ。今回の製作の目玉は、GPSレー探をビルドインすることです。
YupiteruのEXP-R200というレー探の中古品を手に入れたのでこれを組んでみます。

閉じ込めてしまうのでボタンは操作できなくなりますが、そのあたりは完全防水を優先させて。背面のフレームとなるアルミパネルは電波を遮ることが懸念されたため、たくさんの開口部を設けています。
これでほとんど期待された性能どおりに働いているようです。ステルス取り締りに際しても警察無線の反応があればその存在を事前に察知できますし、オービスなどは位置情報が登録されているので手前から教えてくれるのです。
全天候で使える標準装備となったこいつは、かなり使えると思いました。ただ液晶が有機ELなので焼けやすい弱点はあって、時計表示の数字の辺りが他の画面になってもうっすらと染みが残るようになってきました。

車速ピックアップはV100の時と同様に、回転センサのOH182をメーターギアに取り付けます。シグのメーターギアはアルミ製のため、ルーターを使って慎重に削りました。穴が開いてウォームギアが見えるほどのところで回転センサを接着、問題なくパルスを発生してくれています。

モードスイッチには、いいタクトスイッチを見つけました。
日開のJB-15FBP2というタクトスイッチはデータシートを見ると接点部が密閉されている構造になっており、これはフラックス洗浄に耐えるための設計なのですが、結果的に防水防塵性能が備わることになっています。防水とは謳ってないのですがね。実際、それ以上にビニールカバーなど取り付けることなくそのまんまの搭載でも接触不良は全く起こしていません。これはバイク向きだと思います。

レンズの角度は重要でした。
当初はとにかく装備、運用することが優先されたのでそこまでは気が回らなかったのですが、カバーも製作していなかったため、日中の空の明るさがひどく映りこんで、視認性はとても悪かったのです。
その後、FRP整形技術を駆使してカバーを作りまして、ユニットを覆うようにし、なおかつレンズ(アクリル板)の角度も変更して日さしの陰が映りこむように改修したところ、驚くほど視認性が上がりました。とりわけ見づらかった空一面の曇天でもこれで全く問題ありません。
写真左:新造時のもの 右:フェアリング装着後

白抜き液晶は今回初めての採用だが、バックライト頼みのようなところもあるため日光が差し込んだときなど果たして見やすいかどうか、心配した割には実際は全く問題なく、光が差し込むと文字部は切り抜かれたように見えるので、そのコントラストでかえって見やすいほど。
夜間など、レー探やナビ画面と並ぶ白抜き液晶は、清楚でとても綺麗な印象です。

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