160ccにボアアップです!シグも遂に原付二種の枠を超えた!
実用性はかなり増した。かえって中途半端な気もした。
原付二種では通れなかった自動車専用道路を走れるようになり、運用の幅は広がり、パワーのゆとりも加わって、どこへ出かけるにも全く不足のない、この上なく使える機体となった。
燃費はさほど落ちない(街中で30Km/L前後、ツーリングで35Km/L前後)。
不利に感じるのはフェリーに載せるときか。この車体でも750ccと同じ料金の適用となり、仕方ないけど何か割に合わないような。
有料道路も原付なら数十円、という道でも2百円くらいかかったり。税金も自賠責も。。。
いいんですよそれでも。それを上回るメリットがあるのだから。2輪そのものを通行禁止にしているのでない限り、通れない道は無くなったわけですから。
そのように二輪の自動車という大枠の仲間入りをしたことを考えると、かえってシグでは中途半端だと思ってしまったり。小柄なV100に全てを凝縮するのは、まるでガラケーのようで面白かったですからね。
まずはボアアップから。
今回はHUNTERさんのキットで組んでみた。コストパフォーマンスは良いと思います。
ピストンサイズは59mmであるから
以下の計算式に基づいて
3.14×5.90×5.90×5.79÷4=158.3
正確な排気量は、158.3ccということになる。
このキットには厚みの違うベースガスケットが2枚付属していて、どちらを使うか少し考えましたが、計算するとかなり圧縮比が上がるようだったので、無難な方をとり厚いペースガスケットの方を採用します。
エンジンを下ろさずにシリンダー交換をしてみました。外装はすべて外しての作業となります。
実は2stよりも、4サイクルエンジンをいじっている時が一番楽しい。
シリンダー周りのエアシュラウドやパイプ類をみな外してから、カムチェーンテンショナーを外し
カムスプロケットを外して、ヘッドボルト4本と左サイドのヘキサゴン2本を外すと、シリンダーヘッドを外すことができます。
シリンダーヘッドはこの機会にオーバーホール。バルブの擦り合わせと、ポートの加工も行ないました。何しろ排気ポートはデチューンかと思われるほど細く絞り込まれていましたので。
作業中はほとんど写真は撮らなかったのですが、後の登録のためにと思って、ノギスを当てた写真などは撮りました。
再び丁寧に組み立てていきます。
ピストンリングの開口部の位置をどこに向けるかはキットの説明書にも記されていましたが、サービスマニュアルの指示通りに X になるように組みました。つまりピストンを上から見て、左上が1st、右下が2nd、左下Oil-up、右上Oil-lowな具合です。
バルブタイミングを合わせるのも慎重に進めて、一通り完成してからもチェックを怠り無く。そしてキックで何回かクランキングしてからいよいよ始動。
自分が組んだエンジンが動き出す時は、いつでもちょっとした感動があります。ノイズも無く静かに回り出し、満足のいく仕事ができました。
M/Jは、#115から始めて様子を見ました。それ以上濃くしても無駄に燃費が落ちるだけのようで、#112でしばらく運用しています。
トルクが出るので駆動系のセッティングも回転を抑える方向に持って行って、高速巡航などもいい感じです。
エンジンオイルはAMSOILを使ってみました。
心臓部に社外品を使うことに若干の不安もあったからで、いいオイルでリスクを減らそうと思ったのです。確かにAMSOILは金属に良く馴染むようです。オイルに浸っていた部品を手にしてみると、その感触からして違いがすぐにわかります。
プラスチックボトルで1本が1Qt(946cc)入り、というのもシグにはピッタリ使い切りです。値段は送料など含めると、現在、2,600円ほどで流通していますが、ロングライフも売りなので、メーカー指定交換サイクルの3,000Km走行まで使うようにしています。
これ以前は、リッターで千円ちょっとのオイルを1,500Km位の走行で交換していましたから、コスト的には全く遜色ありませんし、交換作業の手間も省け、エンジンも保護してくれるとなると、とてもいいチョイスだと思います。
さて、160ccにしたら正式に登録もしなければなりません。むしろそれが狙いでもあったので、いよいよ登録に行きます。
軽二輪登録の流れ
原付二種から軽二輪への登録は、ネット上でもたくさんの情報がみつかります。肝心なのはそれぞれの陸事で、少しづつ必要とされるものが違うことなので、まずは事前に電話をかけて、その辺りの確認をするのが良いでしょう。この時、ご担当者の名前をいただいておきます(重要かも)。
いよいよ当日、区役所で原付二種の廃車を済ませてから陸事に向かいました。
持って行ったのは
- 申立書〔原動機番号の拓本(リヤショック取り付け部付近の)および旧シリンダーの拓本(124cm3)を貼付けしたもの〕
申立書のサンプル
- 廃車申告受付書(市、区役所でいただくもの)
- 諸元表(変更後の諸元表です)諸元表のサンプル
- キットの販売証明(これのみで変更後の排気量の証明となるようです)
申立書・諸元表サンプルのWord版をダウンロード
当該陸事にて以下は不要でした(準備して出かけて行ったのですが)
- 変更申請書
- 改造説明書
- 誓約書
- 車台番号の拓本
- 原付廃車申告書のコピー(軽自動車協会で原書を見せればOK)
しかし何と、うっかりしていたことか陸事、軽自協会は4時までで受付終了だったことを忘れていたのだ!
でも、めげずに関係する窓口で、電話した時の担当者の名前を出して「先日、電話した者ですが、できれば書類に不備がないかだけでも確認していただけないでしょうか。」と申し出る(重要度は低いかもしれないが、スーツにネクタイ姿で)。
すると、快くこちらの書類を受け取っていただけて、過去の申請書のファイルを持ち出して照合などしていました。その受理済みの申請書のファイルには、シリンダーにノギスを当てた写真が添付されているものなども見えて、皆さんネットの情報をうまく活用しておられることが分かりました。
そんなわけで、次回、再び時間内に来た時にすんなりと受理していただけるよう、不備を洗い出せればと思っただけなのですが、「問題ありません」ということで、申立書は正式に受理!そのコピーにハンコを押したものをらって、陸事での作業はすべて完了となりました。
4時から5時までは、そんな事務処理なら対応していただけるようです。
後日、出向くのは軽自動車協会だけ。一応こちらでも事前に書類確認と手順の確認をしてきました。
そして再び軽自動車協会へ
軽自動車協会で必要な書類
- 陸事で承認された書類一式(申立書の判入りコピー、廃車申告受付書(原書の確認だけしたら戻ってくる)、諸元表、販売証明)
- 住民票
- 申請書類一式を70円で買う(事前にもらってきて家で記入した)
- 自賠責保険の費用(ここで加入できる)
- 重量税5500円の印紙を買って台紙に必要事項記入し貼り付け
- ナンバー代520円払ってナンバー発行
これで見事に、軽二輪のナンバープレートを取得することが出来ました!
行なうべきことを整理すると、以下のような流れになります
— phase 1 —
原動機番号の拓本取る
旧シリンダーの拓本取る
申立書、諸元表の完成
販売証明書取り寄せ
— phase 2 —
市(区・町・村)役場:廃車、ナンバー返納
市(区・町・村)役場:住民票取得
— phase 3 —
陸運支局:各書類提出。申立書の受理とコピーに判を押したものをもらう。
軽自動車協会:登録手続き、自賠責、重量税支払ってナンバー発行
— phase 4 —
保険会社:原付自賠責の解約
任意保険の変更(等級は引き継げました!月額1000円アップした程度です)
さて、この白ナンバーを付けたシグで初めて自動車専用道路のバイパスを走った時は、後ろめたくはないけど、不安も大きかったです。自分に言い聞かせながら走りました、「大丈夫、オレは軽二輪なんだ。」
その後ETCも装備して!東京湾アクアラインも走りました。周りからは、ああっ原付だ!と驚かせてしまったかもしれないけど。シグはこの大きいナンバーの方が、よく似合うと思います。